大阪にて鮮魚や水産加工物などの業務用鮮魚・総合食品の卸、販売を営んでいます、大輝(だいき)です。
お祝い事や歓送迎会が増えるこの季節、コース料理や一品メニューで密かに高い注文率を誇るのが『子持ち昆布』です。
数の子(ニシンの卵)と昆布が一体となったその姿は、縁起物としても喜ばれますが、実は非常に優れた「旨味の塊」であることをご存知でしょうか。
今回は、意外と知らない子持ち昆布の正体と、仕入れで失敗しないためのポイントを解説します。
子持ち昆布は、人工的に接着したものではありません。春、ニシンが産卵のために浅瀬にやってきた際、そこに生息する昆布に卵を産み付けることで出来上がる天然の芸術品です。
主な産地はカナダ・アラスカ: 日本国内でもわずかに採れますが、厚みがあり、商業ベースで安定して高品質なのは、広大な藻場を持つカナダやアラスカ産です。
なぜ美味しいのか(旨味の相乗効果): 昆布に含まれる「グルタミン酸」と、ニシンの卵(魚卵)に含まれる「イノシン酸」。この2つが合わさることで、口の中で旨味が数倍に増幅されます。これが、醤油を少し垂らすだけで驚くほど美味しく感じる理由です。
子持ち昆布の価値は、何よりも「卵の厚み」と「密着度」で決まります。
厚みのチェック: 卵が昆布の両面にびっしりと、かつ均一に付いているものが最高級です。厚ければ厚いほど、噛んだ時の「プチプチ」という小気味よい音が響き、お客様の満足度(=価値)に直結します。
バラつきのなさ: 安価なものは卵の付きが薄かったり、場所によって剥がれやすかったりします。仕入れ時には、断面を見て卵の層がしっかりしているかを確認することが重要です。
市場で流通する子持ち昆布は、保存性を高めるために塩蔵(塩漬け)されています。この「塩抜き」の工程が、提供時の味を決定づけます。
真水ではなく「薄い塩水」で: 真水で急激に塩を抜くと、浸透圧の差で卵がふやけ、食感が損なわれることがあります。1.0%〜1.5%程度の薄い塩水(呼び塩)に浸けることで、昆布の旨味を逃さず、角のないまろやかな味に仕上がります。
抜きすぎに注意: 完全に塩を抜ききってしまうと、味がぼやけてしまいます。「ほんのわずかに塩気を感じる」程度で止め、その後に出汁に浸すのが正解です。
子持ち昆布は、味だけでなく「音(食感)」を食べる食材です。
春の宴会メニューの格上げに、ぜひご活用ください。
大輝(だいき)は、大阪市東淀川区で魚や水産加工物などの業務用鮮魚・総合食品の卸、販売を営んでいます。
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